ここで過ごす時間が心地良いものとなるように

さまざまな思い出が詰まった建物となりました。

「人柄」を感じていただくことで育まれる関係性

弊社とのご縁は、設計事務所の先生からの紹介がきっかけ。「西川工務店さんのことを知らなかったので、最初は不安もありました。でも、現場担当の方や太田社長がとても親身に素早く対応してくれたので、まったくの杞憂でした」。どんな場所にしたいのか、何を大切にしたいのか。およそ週2回の頻度で綿密な打ち合わせを行いました。「打ち合わせというか、半分雑談みたいな(笑)。それがすっごく楽しかったんです。建築に関して、こちらは素人。ディスカッションを重ねながら勉強できて、相談もしやすかったですね」。

院長の祥代さんが特に思い出深いこととして挙げてくださったのが、看板の取り付け作業時のエピソードです。当日は、弊社代表の太田も立ち合っていました。「冬のことで、私が寒そうにしていたら、太田社長がさり気なく手袋を貸してくださって……。そういうちょっとした気遣い、心配りのできる人柄がすばらしいなと。人間として本当に尊敬できる人のひとりだと思っています」。

患者様の居心地の良さと動線を追求

まつお眼科様の建物を見た人は、まずその形に目を留めることでしょう。建物全体が円形になっているのです。外観だけではなく、内観も同様。待合室の壁に沿ってカウンターが設けられ、まるでおしゃれなカフェのような雰囲気を感じさせてくれます。「椅子類もあえてゆったりと配置しました。患者さんには、『広くていいね』と声をかけていただいています。丸くすることで、スタッフ用の通用口付近にデッドスペースができてしまうのですが(笑)。診察にしっかり時間を確保する分、どうしてもお待ちいただく時間が長くなってしまうので、開放感や居心地の良さには徹底してこだわりたかったんです」。丸い形は設計事務所の先生からの提案。「丸=目」、そして丸みのある優しいイメージから、この形状にすることを決められたそうです。

鮮やかなティファニーブルーと黄色を取り入れた待合室。ブルートゥースを使用して音楽を流すのは、リラックス効果と会話等の遮音効果を期待してのこと。WiFi、キッズルームも完備されています。事務スペースから診察スペース、手術室などに至る動線にもこだわりあり。患者様がゆったりと過ごされている待合スペースを通らずに、行き来できる設計になっているのです。

開放的な空間づくりを意識した待合室。

「動線がしっかりしているので、とても使いやすいです」とお話しいただきました。

西川工務店担当者より

建物が円形という事もあり、できる限り曲面をうまく出せるように工事を行いました。躯体施工図(設備などの配置を含めた詳細な図面)を描く際も曲面の長さや角度等を何度も計算し、設計事務所様と施主様のイメージに副うよう努めました。躯体はRC造(鉄筋コンクリート造)。建物の曲面を鉄筋コンクリートで形成していく作業の中で、特に型枠大工さん(協力業者)の技術の高さには驚かされました。この形状を型枠と金物を用いて、熟練の技術で形づくっていく姿は現場で見ていてとても頼もしかったです。