プライベートに配慮した空間づくり

周囲を気にせず治療を受けることができる空間づくりを重視されています。

歯科業界内でのご紹介が、きっかけに

春駒デンタルクリニックの院長、飯野護先生は、歯科用品を扱う企業に勤める知人を通して西川工務店を紹介されたのだと話します。「これまでにも歯科医院の建設に携わってきた実績があること。それから、細かく丁寧な仕事に定評があると聞いて、お願いしました」。設計は、札幌の設計事務所に依頼されています。

患者様のプライベートと安心感を重視した設計

中に入ってまず目に飛び込んでくるのは、正面の壁一面を覆う緑の植物。空間のポイントとなる部分には、お母さまが手づくりされた色鮮やかで美しいステンドグラスの作品が飾られています。ここが病院であることを、つい忘れてしまいそう。待合室のキッズスペースやお手洗い内のおむつ交換台など、さり気ない心遣いが感じられます。

待合スペース。鮮やかなグリーンに癒やされます。

飯野先生が最も重視したのは、患者様のプライベート。隣り合う治療スペース(ユニット)の間に高いパーテーションを設置することにより、半個室空間で周囲を気にせず治療を受けることができます。「高さや材質なども、何度か打ち合わせしながら調整しました」と飯野先生。一つひとつのユニットに十分なスペースがあって、圧迫感を感じません。カウンセリングルームを設置したのも、安心感を持って利用してもらいたいという思いがあってのことです。

「当初の予定から変更することなく、思っていた通りに作っていただきました。季節によって陽射しが差し込む角度が変わるので、ユニットが少し眩しいかなということはありますが、そこはこれからカーテンを付けようかと思っています。あとは、不満なく使えていますね」。

一つひとつのユニットが、半個室です。

「コンセプトは、子どもからお年寄りまで、生涯にわたって口の中の健康を手助けさせていただける場所。ファミリーで来てもらえるような、地域に根差した医療を提供していきたいと思っています」と、話してくださいました。

西川工務店担当より

木造建築の為、自社大工による墨付作業から、加工、現場作業までのすべてを担当しました。墨付・加工は、今ではコンピューターによる工場加工が主流です。そのため、手仕事による作業である点に、設計事務所様も驚かれていました。すばらしい設計意匠(デザイン)をいただき、施主様、設計者様のイメージを忠実に実現する為、施工図(実際に製作する為に必要な図面)をこまめに製作し、発注者様と現場製作側との意思疎通を密に図りながら作業に当たりました。職人不足の中、多くの協力業者様にご助力いただいたことにも、感謝申し上げます。

工事中、弊社名現場看板を見た周囲の人や知人からの建物意匠評判が良く、施工方法の問い合わせ、お褒めの言葉を多数いただきました。また、施主様のお子様を含めたご家族皆様に工事中にご来場いただきました。ねぎらいのお言葉を頂戴し、現場関係者の士気も上がりました。

細部の加工まで、すべて手仕事で行いました。